現実。
2005年11月12日「彼」が生きていれば、私はこの世にいなかった。
「彼」が死んだから、私はこの世に生まれ、今こうして生きている。
あれ以来ずっと考えている。
何について考えるべきか、どう考えるべきか、わからないままに考えている。
考えた結果どこに辿りつくものでもない。
結論などない。そもそも何のために。だけどそれでも。
考えて続けている。
土曜日の朝。
雨音を聴きながら「ノルウェイの森」を読んだ。
一気に読んだ。
初めて読んだ高校生の頃と印象がまるで違っていた。
あのときなぜあれほどまでに胸が熱くなったのか。
今はなぜそうならないのか。
あの時心に響いた言葉たちはどこへ行ってしまったんだろう。
のっぺりとした平坦な話だった。
自分自身の人生だけが、ノンフィクションであり現実であり。
そして現実だけが現実的な痛みで私を打ちのめす。
「彼」のお墓参りに行きたい。
来年行こう。何を伝えようか。
いろいろと伝えたいことはあるけど、まず「ありがとう」かな。やっぱり。そうだな。
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