女上司。
2004年10月8日JR東京駅構内のポスターより。
『駅構内で不審物や気がかりなことがございましたら、
お近くの駅係員、車掌または警備員までお知らせください』
気がかりなことなら常時9つくらい、かな。
助けてくれますか駅員さん。
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9月からスタートしたスタッフが1ヶ月目にして欠勤3回、早退4回。
余りの勤怠の悪さにクライアントから呼び出し。
『上司を連れてこい。』
すぐにリーダーに連絡を取り、2人でクライアント先へ。
実はこのスタッフ、前々から危うかったので既にリーダーには相談済み。
クライアント先に向かう前に、改めてこれまでの経緯と現在の最新情報を伝える。
「わかった。まずはひゃっかがクライアントに対して話を進めなさい」とリーダー。
担当者が出てきて、私からお詫びした後、今後の方向について話し合いを。
で、結果。
クライアント側:長期就労が見込めないスタッフにこれ以上研修教育しても無駄。
スタッフ側:体調が良くないので一日でも早く辞めたい。
・・・そんなわけで双方合意の上で契約終了。
問題は先月から今までスタッフが働いた分だけの派遣料金。
「安くしろ」だの「こっちが金をもらいたいくらいだ」だのとクライアント。
派遣先による研修教育期間中にスタッフがコケるとよくある話。
でも、まあ。それはそれ、これはこれ。もらうもんはもらわないと。
ひとまずその場は「後任スタッフを早急に人選します」で引上げ。
クロージングはリーダーにお任せ。
ビルから出た後、リーダーが振り向いた。
「煙草吸っていい?」
「いいですよ。」
ベンチに腰掛け煙草を吸うリーダー。その隣で請求全額取れるかが不安な私。
「まあ、後任を入れるのが第一でしょう。それがうまくいけば取れるよきっと」
煙を吐き出した後、ふいにリーダーが言った。
「ねえ、今までで一番大きなクレームとかトラブルって何?」
「そうですね・・」
少し考えて「クライアントにキレちゃった事件」を話す。
「クライアントにキレたの?そりゃすごいね。私だってないわ。」
「じゃ、リーダーは何ですか?」
「そうね、私は・・・・」
話し始めると、・・・・さすが経験豊富な我がリーダー。
出てくる出てくる、トラブル事例。
聞いてるとこっちもなんとなく張り合いたくなって。
「私なんてA社でこんなことが・・・」
「え、ほんとに。それ、ほんとの話?」
そのうち『過去に出会った最も強烈なスタッフ』だの
『過去に遭遇したあり得ない体験』だので女二人、大盛り上がり。
ひととおり話終わる頃には今回のクレームのこと忘れてた。
「じゃ、そろそろ行こうか。」
立ち上がってすたすたと歩きだすリーダー。
・・・この人、すごい。
慌てて背中を追いかける。
女性のリーダー、初めてですが。
この人、ホントに色んな意味ですごいんです。
ずんずん先を行く背中。
いつか、追いつきたい。
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