理想と現実。
2003年3月8日売上を作るのが営業です。
間違い無い。
ですが、売上を作るためには営業活動以外にも
いろんな職務を兼ねるこの仕事。
そう、例えばキャリアカウンセラーもどきのようなことも。
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新規で登録に来たスタッフの中の一人に
紹介したい仕事があったので直接本人と面談。
「この仕事はどういう理由で選んだんですか?」
「なぜここを辞めたんですか?」
「それで次に選んだのがこの会社ですよね?」
「今後はどういうキャリアを考えてますか?」
機械的にならないよう気をつけながら質問を重ねていく。
過去の職歴・職種からすると、一見「?」が多いこの人。
でも話を聞くとそれぞれに事情があって、考えて、
でもやむを得ない結果に至った末での転職・退職。
「次の仕事は本当に納得いく職場で気持ちよく、長く勤めたいんです。」
切羽詰った表情。
「派遣は初めてですよね。今回なぜ派遣で働こうと思われたんですか?」
という私の質問に、
「私のこの職歴と年齢だと正社員で厳しいのも現実で・・・。
派遣ならプロの派遣会社が私を見て合った仕事を選んでくれると思うし、
会社に対しても私のような人間が合うと思って紹介してくださるんでしょうから、ミスマッチがないと思いました。
今もこうして・・・ひゃっかさん、ずっと私の話を聞いてくれて。
ひゃっかさんが紹介してくれた仕事だったら
きっと私、長く落ち着いて仕事できる。頑張れると思います。」
と。
困った。困った。困った。
仕事に対して安定を求める人には派遣は合わない。
一人暮らししている女性には特に。
面接時に聞いていた内容とあまりに食い違った仕事、
かつあまりに酷い職場環境だったために退職したという前職。
相当トラウマになっているようで。
スタッフのニーズにベストマッチした会社を。
会社のニーズにベストマッチしたスタッフを。
もちろん努力してるけど、やはりミスマッチは起こり得るもの。
しかも私が紹介しようとしている会社は新規のベンチャー企業。
既存クライアントなら仕事内容も職場環境も把握しているから
紹介しやすいけれど、その新規クライアントは規模が小さく、
曖昧な点もあり、「入ってみてもらわないとわからない部分」が多い会社。
困った。困った。困った。
それに。なんだかどうやら、私を信用し過ぎてる。
「派遣の営業なんて、嘘つきで調子良い奴ばかりですよ」
言いたいのをこらえて派遣のメリットだけでなくデメリットも十二分に説明。
派遣てそんな悪いもんじゃない、
と思うからこの仕事をやれてる部分があるのも事実だけど。
派遣てそんないいもんじゃない、
と思うのもまた事実。
営業をやってる私が言うのもなんですが、
一長一短だと思うのです。
そして、なにより貴方の人生。
他人に100%委ねちゃいけない。
信用しすぎてはいけない。
寂しいことを言うようだけれど。
信用する時は、裏切られた時のことも想定して。
「裏切られる可能性があってもそれでも信用する」という選択をしたときは、
「その選択をした自分」に責任を持って。
個人的にはもっともっと言いたいこともあるけれど。
会社として、看板しょってやってるから言えないこともあるわけで。
どっと疲れた一日。
他人の人生なんて背負えない。
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