イメージの崩壊。

2001年5月12日

正直、彼女への第一印象はあまりよくなかったんだ。

長い髪、茶色の瞳、白い肌。ばっちり整えられたメイク、ほんのり香る香水。高いヒールに細身のスーツ。きれいな子だと思ったけれど、どこか冷たそうな印象をもったから。
きっと、仕事上での出会いじゃなければ、話し掛けることもなく通り過ぎていくタイプだっただろう。研修中、彼女は比較的男の子グループの中にいて、私は女の子グループの中にいた。
私たちは一言も言葉を交わさなかった。

だけどよりによって、私と彼女は同じ支社に配属。
その支社の新卒組は私と彼女の2人だけ。

歓迎会が行われた昨日。上司に気を使いまくった私たち。会が終わってから2人でとぼとぼ歩く。

「飲み直そっか・・・。」

彼女はウイスキー、私はチューハイを片手に。

仕事のこと、恋愛のこと、今までのこと。
話してみたら、まいってしまった。
彼女がイメージとあまりに違うキャラクターをもっていたから。クールな人、要領のいい人、落ち着いている人、そういう彼女の印象とはまるで違う。
彼女自身、周りに見られる自分と本当の自分とのギャップに悩むことが多いらしい。

イメージがガラガラと音を立てて崩れていく。


次の日の午後。

買い物帰りにすれ違った彼女は、見事に「相変わらずな彼女」だった。長い髪、茶色の瞳、白い肌、ばっちり整えられたメイクに、ほんのり香る香水。
昨日子どもみたいに泣きじゃくってたなんて、嘘みたいに。

そして私はそんな彼女の強かさ(したたかさ)も、もう苦手でもなんでもなく。
むしろ好きになってたとさ。

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