ドラマチックな算数

2000年12月7日
「ある程度単位の取れた大学4回生」
ということで、大学の先生から
「研究先の小学校でボランティアをしてくれる
学生を探している」という話を聞いたのは1ヶ月前のこと。
卒論・自動車免許・卒業旅行資金稼ぎ・来年の生活準備・・・
やらねばならないことはたくさんある。
だが、自分がこんなふうに小学校の中に入っていける機会はそうそうない。卒業までだし、と安易に引き受ける。

以後週3日、午前中に、
小学校の先生の授業のお手伝い。

私に課せられたミッションは、
1年生の算数の時間中、クラスを見てまわり、遅れがちな子の計算をサポートすること。

ただ今繰り下がりの引き算を勉強中。
懐かしのマグネットタイルを使って悪戦苦闘している子のそばで指導・・・。
しようとするが、思うようにいかない。

「どこがわからないのかがわからない」
子どもたちに、
「わからないのはどこか」、
「どう説明したらわかるのか」
そのポイントを「彼らのわかることば」で、
探りあてる作業は、難しい。
「ここがわからない?」「こう言ったらわかる?」
「ここ?」「そこ?」と必死にツボを探す。
そうこうしているうちに、向こうの集中力が途絶えてしまう。数分ももたないんだなー、これが。

子供たちに意識を集中させるため、
教壇上でタイルを振りかざし、大ぶりなジェスチャーを交えながら、
あるときはささやき声、あるときは大声で、
引き算の計算方法を教える先生。

「12−5」をここまでドラマチックに語れる人は、そうはいない。

職人技である。

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